コラム

失敗しない!外壁材の種類&選び方

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


家の外壁材には種類が沢山あるため、ご自宅の外壁材が何だったかを忘れていたり、そもそも外壁材選びは建築会社に任せっきりだったのでよく分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
10年ぐらい経った時にそろそろメンテナンスを考えれば大丈夫だろうと思っておられる方もいらっしゃいますが、実はそのような考え方は家の寿命を縮めてしまう可能性があります。

外壁材は環境や条件の違いによって劣化する時期や症状が異なってくるため、大切なのは、年数に関わらず、日頃からお家の外壁の状態をよく観察することです。

私達の生活を守ってくれているお家の寿命を長く保つために、まずはご自身で簡単にチェックしてみましょう!

こんな症状は出ていませんか?

  • クラック(ヒビ割れ)
  • チョ―キング
    (チョークのような白い粉状の汚れが手に付く)
  • 塗装のはがれ
  • 塗装のふくれ
  • シーリングの劣化
  • 鉄部のサビ
  • 藻・カビの発生

このような症状やサインに気付かずにメンテナンスをしないまま放置すると、外壁材本来の性能が劣り、雨漏り・浸水などによって耐久性が落ち、建物の寿命も縮まってしまいます。
そうならないためにもお家の異変に少しでも早く気付くことや、専門家による定期的な点検を受けてメンテナンスをすることで、良い状態を長く保つことができます。

〈 →外壁塗装の必要性と目的についてはこちらをご覧ください。〉

外壁材は素材によって機能性やメンテナンスサイクルが変わってきます。そこで今回は外壁材の種類と特徴についてご説明したいと思います。

外壁材の種類

外壁材は大きく分けると『サイディング』『モルタル』『タイル』『ALC』の4種類に分けられます。
そして『サイディング』の中にも『窯業系サイディング』『金属系サイディング』『木質系サイディング』『樹脂系サイディング』があり、さらにそれぞれの外壁材の中にも素材の違い・表面加工の違い・形状やサイズの違いなどによって細分化されていきます。

現在の外壁材シェア率は?

戸建住宅の外壁材素材別シェアはこのようになっており、現在では窯業系サイディングが圧倒的にシェアを占めている状態です。
次いで金属系サイディングと続き、サイディングが全体の約9割となっています。

ですが「シェア率が高い=優秀」かと言えば、そうとは限りません。外壁材としての性能は優秀だけれどもデザインが少ない、または施工会社が少ないなどの理由からシェア率が低いものもありますし、昔は人気があって普及したけれど現代では他の外壁材に人気が移行している…というものもあります。
人気は時代と共に常に移り変わっているため、今後もシェア率は変わっていくものと思われます。

また、国内でも地域によってシェア率に違いがありますし、国内と国外では全く異なってきます。

それでは次に、外壁材別のメリット・デメリットを見てみましょう。

シェア率№1 ◆ 窯業系サイディング

コストパフォーマンスとデザインの豊富さが魅力

現在最も需要が大きいのが窯業(ようぎょう)系サイディングで、全体の約8割のシェア率を占めています。

セメントと繊維質原料を混合して形成した外壁材で、コストパフォーマンスに優れており、色やデザインも豊富で、耐火性・耐震性に優れています。
また、工場で生産されるサイディングボードを使用するため、施工期間が短く品質が安定しています。

一方、サイディングボード自体には防水性が無いため、塗装による防水加工が必ず必要となります。また、サイディングボード同士の継ぎ目に充填するコーキング剤が劣化すると隙間ができ、そこから雨水が内部に侵入してしまうことがあるため、サイディングボード・目地共に、点検やメンテナンスを定期的に行う必要があります。

シェア率№2 ◆ 金属系サイディング

軽量で断熱製に優れ、ひび割れ・凍害にも強い

金属系サイディングは全体の約1割のシェア率となっています。

金属系サイディングは基本的に断熱材と一体型に加工されており、断熱性・防音性に優れています。また重量が軽いため、耐震性にも優れています。窯業系サイディングと比較した場合、ガルバリウムは窯業系の4分の1、アルミニウムは窯業系8分の1と軽量です。
そのため、リフォームの際には「重ね張り工法」ができるのもメリットのひとつです。

また金属系サイディングはクラック(ひび割れ)が起きにくい、凍害が起きにくいという点がメリットです。
凍害とは、外壁素材に染み込んだ水分が凍結、膨張、破裂を繰り返すことで外壁材が劣化する症状ですが、金属系サイディングは水分を弾くため、凍害に強い素材として寒い地方で特に普及しています。

金属系サイディングの中で主流となっているのが「ガルバリウム鋼板」や「アルミニウム合金塗装板」です。

デザイン性の面では、近年では多彩なデザインが増えてきていますが、窯業系サイディングに比べるとまだ少ないと言えます。
また、凹みにくい反面、傷が付くとそこから錆びることがあるため、傷が付いてしまった時は補修をして錆びが広がるのを防ぎます。

シェア率№3 ◆ モルタル外壁

手作業によるデザイン性の高さと重厚感が魅力

モルタル外壁はセメントと砂に水を混ぜて作ったモルタルを「ラス」と呼ばれる網目状の金属に職人が塗っていく工法です。

1980年代まではモルタル外壁が主流でしたが、施工に手間がかかるためにコストが高くつくことや、防水性が低く、ひび割れ・剥がれが起きやすいなどの理由で、現在は全体の1割未満のシェア率となっています。

メリットとしてはまず挙げられるのがデザイン性です。職人の手作業による施工のためデザインの自由度が高く、重厚感のある仕上がりとなります。
またサイディングのような継ぎ目ができないことも魅力です。

モルタルは不燃性のため耐火性にすぐれており、少しの衝撃では動じない強靭さも魅力です。

シェア率№4 ◆ ALC外壁

軽量で断熱製に優れ、耐火性・遮音性が高い

ALCは「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の略で、「軽量気泡コンクリート」と呼ばれるコンクリートの一種です。
「軽量気泡」という字の通り沢山の気泡の穴が開いている軽量コンクリートで、通常のコンクリートの約4分の1ほどの軽さです。

その気泡が断熱層となって熱の伝わり方を抑えるため、1年を通じて室内を一定の温度に保つ効果が期待できます。
また耐火性・耐久性があり、定期的なメンテナンスをすれば50年はもつと言われるほどです。

一方、デメリットとしては吸水性が高いという点が挙げられます。
通常は外壁表面を塗膜が覆っていますが、塗膜が劣化するとALCの内部に水が侵入してしまい、冬場に凍結・膨張・ひび割れが発生することがあります。

また、ALCボードの幅が狭いことから目地(外壁同市の継ぎ目)の数が窯業系サイディングよりも多いため、コーキング剤の劣化に気を付けながら定期的にメンテナンスをし、防水性の高い塗料で外壁表面を保護しなければいけません。

シェア率№5 ◆ 木質系サイディング

木材の質感と断熱性が魅力の木質系サイディング

木質系サイディングは天然木を外壁材として使用するため、自然の風合いや温かみのあるデザインを好む方に向いています。

また、木材は熱を吸収しにくく断熱性に優れているので一年を通して快適に過ごせます。

デメリットとしては、他の外壁材と比べるとコストが2割ほど高くなることや、劣化しやすいという点です。
窯業系サイディングや金属系サイディングと比べると経年劣化の影響を受けやすいため、他の外壁材と比べて短いスパンでのメンテナンスが必要になります。

その他① ◆ タイル外壁

無機質素材ゆえに耐久性・耐候性に優れ、傷がつきにくいタイル素材

タイル外壁はシェア率が低いため、性能的に劣っているのかと思われがちですが、そうではありません。
タイル外壁の大きなメリットは「高級感」です。また耐久性、耐震性が高く、汚れが付きにくいのも大きなメリットです。

デメリットとしては初期費用がかかることと、タイルの「浮き」や「剥がれ」が起こることがあります。
「浮き」や「剥がれ」は剥離・落下の前兆となることが多く、万が一落下した時は大変危険なため、定期的なメンテナンスが必要となります。

その他② ◆ 樹脂系サイディング

耐久性が高く凍害・塩害にも強いが、まだ日本では認知度が低いサイディング

樹脂系サイディングのシェア率が低い原因としては、まず第一に取り扱いメーカーが少ないという点が挙げられます。北米では主流とされている樹脂系サイディングですが、日本ではまだまだ認知されておらず、施工できる業者自体が少ないのが現状です。

その点から価格がやや高額になる傾向があり、デザインや色のバリエーションがあまりありません。
ですが、耐久性・防水性があり、衝撃に強く、軽量で汚れを落としやすいというメリットがあります。

特に「凍害・塩害」に強いと言われており、内部に侵入した水が凍結・膨張・ひび割れするといったようなことが起こる不安がほとんどなく、錆びや腐食にも強いという魅力があります。

まとめ

どんな外壁材であっても、完全にメンテナンスフリーのものは残念ながら存在しません。外壁を長く良い状態で保つためには、やはり点検・メンテナンスが必要となってきます。

外壁材は年間を通して風雨や強烈な紫外線、気温の変化などの自然現象や汚染物質から私たちを守ってくれています。
経年劣化による汚れや腐食、ひび割れなどを未然に防ぐために定期的にメンテナンスをしつつ、日頃から色んな角度から家を観察してみましょう。

症状が進んでからではなく、早めに対処することが家を長持ちさせるポイントとなります。人間の健康診断と一緒ですね!

またリフォームなどで今から外壁材を選ぶ時には、土地の環境や条件を考えて選ぶことをお勧めします。
例えば、海沿いの家であれば塩害に弱い外壁材は避ける、凍害が多い寒冷地では樹脂系サイディングや金属サイディングを考慮に入れる、地震が多い地域では高耐震性で軽い外壁材を選ぶ…など、様々な外壁材の中から人それぞれの選び方ができるというのも今の時代の利点だと言えます。

生涯のうちの長い時間を共に過ごす家だからこそ、信頼できる専門家に相談しながらぴったりな外壁材を選びましょう。
屋根・外壁塗装の専門店エグゼストは、お客様にぴったりの外壁材・屋根材のご提案を致します。
相談・お見積り無料です。是非お気軽にご相談ください!

 



一戸建て住宅から、マンション・アパート・店舗などの屋根・外壁塗装のほか、シーリング工事(コーキング打替)、雨漏り修理、外壁ひび割れ修理、外壁塗装のふくれ修理、防水工事、屋根外壁板金工事、雨樋工事、サイディング張り工事、外壁工事、外壁断熱工事、外壁耐震工事も行っております。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加