防水工事の種類
雨水が建物内に侵入するのを防ぐために防水処理された部分を防水層といい、防水層を形成するための方法が4種類あります。
①シート防水
②ウレタン塗膜防水
③FRP防水
④アスファルト防水
今回はその中の③FRP防水についてご紹介したいと思います。
FRPは『繊維強化プラスチック』(Fiber Reinforced Plastics)の略称で、ガラス繊維などの強化材で補強されたプラスチックという意味です。
簡単に言い換えるとFRPはガラス繊維とプラスチックの複合材で、耐水性のみならず成形性にも優れていて、軽量かつ強靭で耐食性、耐候性でも優れた性能を発揮する最強の防水素材です。
船舶、水槽、バスタブ、自動車、屋根材など、防水性に加えて軽さと強度が同時に求められる場面で広く使用されています。
FRPを防水工事に使用する際には状況によって向き・不向きがあるため、その特徴についてまとめてみました。
FRP防水の特徴
FRP防水のメリット、デメリットは以下の通りです。
防水工事の種類 | 特徴・使用用途 | 耐用年数(※1) |
---|---|---|
FRP防水 |
◆メリット 工期が短い(速硬化性) ・塗膜の硬化速度が速く、施工後1~2時間程度で塗膜が形成されるため、 何層も塗り重ねる仕様でも1日で施工を完了させることが可能(小面積に限る) 仕上がりが美しい 耐水性・耐薬品性がある 軽量で高強度 重歩行性に優れている ◆デメリット |
約10年(※2) |
※1…塩化ビニルシート防水やFRP防水には防水層自身に耐根性がありますが、アスファルト防水・ウレタン塗膜防水・ゴムシート防水では防水層に耐根性がないため、屋上緑化を行う際には耐根層(耐根シート等)を設置する必要があります。
※2…5年に1度トップコートの塗り替えが必要です。
FRP防水の工法と工程
FRP防水は、下地と防水層を密着させる『密着工法』で施工します。
密着工法は下地にプライマーを塗布したあとにポリエステル樹脂を塗布し、その上にガラスマットを張り付けます。さらにポリエステル樹脂塗布とガラスマットを張り付ける工程をもう一度繰り返してFRP樹脂の防水層をつくります。
工法 | 工程 |
---|---|
FRP密着工法 |
1.床面の清掃 2.プライマー(下塗り材)の塗布 3.ポリエステル樹脂の塗布 4.ガラスマット(シート状のFRP)を敷く 5.3と4をもう一度繰り返す(重ね張り)…(※1) 6.サンダーやサンドペーパーでケレンする (トップコートを密着しやすくする) 7.トップコート(表面保護の塗料)の塗布 |
(※1)
ガラスマット1枚を敷くことを1PLY(プライ=英語で層の意味)、ガラスマット2枚を積層することを2PLYと言います。
ガラスマットにはガラス繊維の密度の違いによって#380と#450の2種類があり、数字が大きい方が密度が高いことを意味しますが、標準仕様に採用されているのは380マット2PLYの防水層となっています。
まとめ
FRP防水工事についてご説明しました。
軽量で高強度かつ耐水性に優れているFRP防水ですが、木造住宅の屋上や広いバルコニーには向かないという面もあります。
既存の防水層が劣化して修復しなければいけない場合は、状況に応じて適切な防水工事を行う必要がありますので、早めの対処をおすすめいたします。
防水工事には沢山の種類と工法があるため、経験豊富な専門家に適切な防水工事を依頼するのが安心です。
高松市の屋根・外壁塗装の専門店 エグゼストでは、防水工事の診断やお見積りを無料で行っております。防水工事をご検討の方はお気軽にエグゼストまでご相談ください。
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