高松市三谷町のお客様より屋根・外壁・玄関ポーチの柱などの点検のご依頼をいただき、調査に伺いました。
ご依頼いただいたきっかけは、飛び込み業者が営業でご自宅を訪問してきて工事を勧めてきたことだったそうです。
知らない飛び込み業者に不安があるということで、近所だった弊社のHPをご覧いただいた上で安心だということでご依頼をいただきました。
地元の業者だから…とお客様より信頼いただきお声掛けいただけることは、弊社にとって大変嬉しいことです。ありがとうございます!
早速点検調査を開始させていただきました。
屋根瓦の点検をしたところ、漆喰(しっくい)が割れて鬼瓦が剥がれている状態でした。
また、「熨斗(のし)瓦」と「雁振(がんぶり)瓦」の間にも隙間が空いている状態でした。
面戸(めんど)と呼ばれる部分の漆喰も割れて内部の土が流れ出ている状態です。
屋根瓦の構造をご存じない方が多いかと思いますが、屋根瓦には瓦と瓦をくっつける接着剤として漆喰が使用されています。
瓦屋根の棟の熨斗瓦は「葺き土」と呼ばれる粘土の土台に乗っています。
この「葺き土」が雨や風で外に流れ出ないように固定しているのが漆喰です。
ところで漆喰って何から出来ているかご存じですか?漆喰の原料についてのお話は、遠い遠い昔に遡ります。
サンゴ礁が長い年月をかけて地殻変動などで隆起して「石灰鉱脈」というものができます。
その石灰鉱脈から「石灰石」を採掘して焼き、水を加えて「消石灰」にします。
この消石灰に糊(のり)やスサ(ひび割れを防ぐつなぎの役目をする藁・麻・紙などの繊維質)を混ぜ込んだのが「漆喰」です。
漆喰ってとても長い年月を経てできているんですね…
でもそんな漆喰にも耐用年数があり、寿命は15年~20年前後ほどです。
漆喰が剥がれてしまうと、瓦を固定している「葺き土」が流れ出てしまい、棟が沈んでしまったり、歪んでしまったり、倒壊する恐れがあります。
さらに日本の家屋は台風や地震により影響を受けることが多いので、点検がとても大事な作業となってきます。
経年劣化により、あちこちにクラック(亀裂やひび割れ)が発生している状態です。
ひび割れが起きるとそのひび割れから雨水が浸入し、時間の経過とともに室内の雨漏りに繋がってしまう可能性があります。
クラックから浸入した雨水は、断外壁だけでなく内装や構造体まで侵入することがあります。
そうなると外壁だけでなく内装や構造体まで手を加えなければならなくなり、工事も大規模なものになってしまうため、
早めの対応が大きなトラブルを未然に防ぐ手立てとなります。
こちらのお宅はサイディングボードを貼っているのではなく、水とセメントと砂を混ぜ合わせた素材で形成されたモルタル壁です。
モルタル壁は職人が手作業で作り上げるため表面の仕上げ方に様々な手法があり、ざらざらとした温かみのある独特の風合いを出すことができます。
またモルタル壁はとても頑丈で強いのが利点ですが、その分衝撃や力が加わった時、または経年劣化によってひび割れしやすいという点もあります。
特に窓サッシ周りや板金の上など、ほかの素材との境目に負荷がかかりやすいためにひび割れが発生しやすくなります。
雨樋には色あせが見られ、雨樋を固定するバンド部分が錆びています。
雨樋の色あせは紫外線を長時間浴びることによって起こります。
雨樋は塩化ビニル樹脂(塩ビ)でできていますが、約5年ほどで表面の光沢や色が薄くなり、8年~10年ほどで表面が白っぽく変色してきます。
表面が白っぽくなるのはチョーキング現象と言って、手で触った時に白い粉が付く状態です。
チョーキング現象は紫外線や雨風に長い間さらされたことによって劣化していることを表します。
このまま放っておくと変形したり破損したりするため、早い段階での塗り替えが必要です。
雨樋のバンドの錆びはひどくなるにつれ赤茶色の錆汁でキレイなところまで汚してしまうので、錆びを落として塗り直すか、バンドの交換が必要となります。
雨戸は色あせているため、錆び止めをして塗り直したほうがよさそうです。
こちらの庇(ひさし)もサビが発生しています。
庇は窓やドアの上にある小さな屋根で、雨や日差しを防いでくれます。
錆びが進むと穴が開いてしまいますので、長持ちをさせるために、やはり早い段階での塗装が必要です。
玄関ポーチの柱・格子・梁は経年劣化により塗料が剥げています。
木材はメンテナンスをしないと雨や太陽からの紫外線にさらされて腐食していくため、防腐塗料を塗って腐敗を防ぐ必要があります。
以上の調査報告を施主様にさせていただきました。
普段は見えにくい場所を写真でご確認いただき、工事のご依頼をいただきました。ありがとうございます!
お家を長く大切に使おうと思えば色んな所に目を配らないといけないのですが、
屋根の上などの高い所や普段見えにくい場所はどうしても見落としがちです。
また、異常に気付きながらも、もうちょっといけるかな…?とついつい思ってしまいますよね。
ですが、どれも早い段階で手を入れることによって良い状態を保ちながら長く使えますので、気になる所があれば早めの点検をおすすめします!
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